kurozu

「アルカリ性食品がカラダに良いと聞いたんだけど、黒酢は酸っぱいから酸性食品ですよね?」

とても良いご質問ですが、ズバリ答えは「No」です。

酸性食品かアルカリ性食品かどうかは、その食品を燃焼させた後に残る灰分を水溶液にして調べることで分類します。

人間のカラダは常に弱アルカリ性(pH7.4)に保たれており、生体恒常性(ホメオスターシス)や生体防御機構等により、酸性の物を食べようと、アルカリ性の物を食べようと、一時的に酸性・アルカリ性のどちらかに傾いたpHを速やかに元に戻そうと、本能的に働きます。

以前は盛んに話題に上った食品の酸度・アルカリ度ですが、食べた物によって体液のpHが酸性に傾いたままになったり、アルカリ性に傾いたままになったりすることは無いので、こういった分類自体が無意味なのでは?という意見が現在では優勢です。もちろん、偏食を避けて旬の物をバランス良く摂取する重要性に変わりはありませんが。

さて、以上を踏まえながら冒頭のご質問に戻りましょう。

皆さん、小学生の時にリトマス試験紙を使った実験をしましたよね。青色⇒赤色ならば「酸性」、その逆は「アルカリ性」です。覚えていますか?

お酢(天然醸造酢)は酢酸やクエン酸を含み、紛れもなく前者なので体内に入るまでは「酸性」を示すのですが、体内に入ると酢酸等の有機酸は分解されて酸度を失い、代わりにカルシウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ度が高いミネラルが残るので、ややこしい事に「お酢はアルカリ性食品」と分類されるんですね。

体内が酸性に傾くとこんな怖い病気も…。

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kurozu ※酸性食品とアルカリ性食品について、豊北病院の中村芳乃先生が非常に分かりい解説をされていましたので、下に引用しておきます。

Q: 酸性食品とアルカリ性食品について教えて下さい。

A: 酸性食品・アルカリ性食品という分類はスイス・バーゼル大学の生理学者、グスタフ・フォン・ブンゲ(de:Gustav von Bunge)によって提唱された概念である。食品そのものではなく、食品に含まれるミネラルの水素イオン指数(pH)で、酸性かアルカリ性かを判断する。

経済成長後の日本では健康指向の高まりから、食生活の改善にも関心が集まり、酸性食品・アルカリ性食品という分類も大きく取り上げられてきた。

この単純な二元論的な食品区分は、日本の栄養学では臨床実験を伴わないまま、病気の予防に関係ないので根拠がない分類であるとされている。医学においては「根拠に基づいた医療」に基づいて、病気の予防のために分類されている。

《分類方法》

食品の酸性・アルカリ性は、食品を燃やした灰を水中に入れて溶出成分を含む水溶液を調整し、その水溶液の水素イオン指数を計測し、酸性かアルカリ性かで分類されている。

酸性を示すミネラル → 塩素,リン,硫黄

アルカリ性を示すミネラル → ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウム

これは、体内でのエネルギー生産が主として炭水化物の酸化反応であることから、酸化反応の一種である燃焼によって食品を酸化させれば、体内に蓄積される「燃え残り」を推定できるという仮説によるものである。しかし、燃焼は700℃以上の高温で起こる急激な酸化反応であり、体内で進行するエネルギー生産プロセスとの類似性は低い。

食品が人体に与える影響は、含まれている元素の問題ではなく、含まれている化合物の問題である。例えば、食塩(塩化ナトリウム)は生命活動に欠かせない化合物であるが、金属ナトリウムや水酸化ナトリウムは同じナトリウムの化合物であるのもかかわらず猛毒である。このような観点から考えれば、燃焼という化学反応を経た灰から食品を分類するのは妥当ではない。

<食品>
一般的には下記のように分類されている。

<アルカリ性食品>
野菜(ほうれん草,牛蒡,薩摩芋,人参,里芋等)、果物(メロン,レモン等)、
海藻(ひじき,ワカメ,昆布等)、キノコ、干し椎茸、大豆など

<酸性食品>
肉類(豚肉,牛肉,鶏肉等)、魚類、卵、砂糖、穀類(米等)など

このように分類する観点から考えれば、高たんぱく高脂肪に偏りがちな「欧米化した食生活」では「酸性食品」を多量に摂取し、「アルカリ性食品」が不足しがちである。
女子栄養大学出版部の『酸とアルカリ』では、砂糖は体内で酸性の乳酸を作るという根拠によって酸性に分類している。
健康食品の中には、「アルカリ性食品」であることを強調するものもあるが、医学的・栄養学的に疑問なものもある。

<栄養学>
1950年代から90年代までの酸性・アルカリ性食品の是非に関する栄養学の27の論文を精査した論文によれば、1956年の1つの論文でのみ酸性食・アルカリ性食によって代謝性アシドーシスが起こったという臨床実験が行われているだけであり、他の論文には自説を根拠づける実験や実験の引用はなかったと報告している。

そして、体内のアルカリ度は変化せず、それによって病気を予防できるわけでもないのでこのような食品の分類は意味がないという内容である山口迪夫の『アルカリ性食品・酸性食品の誤り』を「総論的に結果を述べた正規の評論である」と結論づけている。

参考文献

  • 辻村卓ほか『酸とアルカリ-食品中の特性と人体での役割』女子栄養大学出版部、1984年11月。
  • 山口迪夫『アルカリ性食品・酸性食品の誤り』1987年。

回答者 医療法人 豊愛会 豊北病院 中村芳乃

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