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2015.05.21坂元のくろず(赤箱)1年醗酵熟成

完全にあきらめていた老犬の変形性関節症に卓効を示した漢方薬とは?

先日「粗食のすすめ」著者の幕内秀夫先生を迎えての研修会を開いた事を書きました。

この講演後、懇親会の席でご一緒させていただいた薬剤師のM先生の症例の中に耳寄りなお話を教わりましたので備忘録がてらアウトプット。

 

漢方薬の対象は人間だけではない

人間に換算すれば80歳90歳にもなるわんちゃんは当初、足腰が弱り四肢か細く腰も立たず、常に震えているような状態だったそうです。

年齢も年齢だし仕方ないだろうと思い込んでいたおり、ふとある漢方薬とM先生の薬局でイチオシの製品を併せて飲ませたところ2,3日もせずにピンピンと歩きまわるようになって驚かれたんですね。

さて、そんな超高齢犬の変形性関節症に効いた漢方薬の名前とは……
 
 
え?もったいぶるな?(笑
 
 
はい。ではいきます。

答えは 独活寄生湯(ドッカツキセイトウ)です。

独活寄生湯は疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)、六味地黄丸(ロクミジオウガン)、牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)などとならび、腰痛やひざ痛などの関節痛、または神経痛などによく用いられる薬。

 

独活寄生湯(千金要方)とは

  • 組成:独活9 桑寄生18 秦艽9 防風9 細辛3 当帰12 白芍薬9 川芎6 生地黄15 杜仲9 牛膝9 肉桂1.5 人参12 茯苓12 甘草6
  • 効能:去風利湿・通痺止痛・補益肝腎・益気養血
  • 主治:久痺
  • 臨床応用:腰痛、痺症、痿証(=偏枯・半身不随)、しびれ、小児麻痺
  • 注意事項:本報剤は比較的穏やかな処方であるが、薬性は温性なので、発熱、関節が腫れて熱感が強い熱痺には不適当である。

(出典)漢方方剤ハンドブック・東洋学術出版社

 

最近の腰痛事情

以前は高齢者が服用する場合が多かったのですが、最近は若くても下肢の冷えや、運動不足からの筋力低下、そして姿勢の悪さなどの生活習慣から関節に痛みを伴う異常をきたした慢性の腰痛や、ぎっくり腰に頓用または継続服用する方も増えています。

たとえば腰痛は、経絡を流れる気(き=元気・エネルギー)や血(けつ=酸素・栄養)などが滞って起こりますが、多くは冷えや湿邪(湿気)の蓄積・処理能力不足が原因です。

気血が滞ることで脊椎や腰椎、背骨だけでなく周りの筋肉も十分に滋養されず、背骨を支えられなくなって痛みを生じてしまうんですね。

これを人間だけでなく高齢の動物に適用すれば、なるほど効果あって当然かとも思われますが、今回たまたま話題をテーブルに乗せてくださったおかげで思いがけず気づくことが出来ました。

M先生、ありがとうございました。今後は当薬局でも応用させていただきますね!

 

当薬局の場合

坐骨神経痛や下肢のしびれを訴える高齢者や、バリバリ現役のスポーツ選手のリハビリにもしばしば独活寄生湯を用います。

  • 重症の場合、人間に用いるならば … 「単蜜くろず=はちくろ」との併用が効果的。
  • また今後、重症の犬や猫に用いる場合があれば … 「諸味(1.2g)」と合わせて服用させるつもりです。

これらの理由は当ブログの端々に書いてありますので、お時間のある際にお目通しください。ブログを読んでる時間の無い、お忙しい方はご相談を承ります。

 

実際に試された飼い主様からの声

 

その他、「痛み」についてはこちらも参考にしてください。

 

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