2015.05.19学会・イベントなど参加レポート
ベストセラー「粗食のすすめ」の幕内秀夫先生を迎えて研修会を開催
私、山浦卓が会長の役を仰せつかっている「関東むびょう研究会」という相談薬局の団体があります。関東のほか、東海、関西、四国、九州とブロックに分かれているのですが、このたび関東と東海が合同の研修会を東京で開催することになり、今回はホスト役も務めさせていただきました。
この研究会は、2016年に創業70周年を迎える酵素飲料(発酵型野菜ジュース)の老舗、大和酵素株式会社様の全面的な協賛を受けており、今回も矢野泰介社長、また社員の皆様には大変お世話になりました。
この場を借りて御礼を申し上げます。
〜2015年 関東・東海むびょう研究会 合同研修会〜
日時:2015年5月17日(日)15:00〜19:00
会場:ホテルJALシティ田町 「鳳凰」
演題:「粗食のすすめ」
講師:幕内秀夫 先生
今回の講師はベストセラーにもなった「粗食のすすめ」の著者、幕内秀夫先生。
ご自身のブログでも公開されていますが、ときどき断食を行うのだそうで、その時に大和酵素社のブランド「セイチョウゲン」という酵素製品を用いられており、そんな御縁で講師を依頼しました。
ここでは拝聴した講演内容から一部、自分の備忘録としてざっくりと書きとめておきます。
主食のカタカナ化
ここ50年程度で日本人の食生活は急激に変化しました。中でも最大の変化は「主食のカタカナ化」で、米を元に作る食べ物からから輸入小麦粉ベースの食べ物へとシフトしており、またこれに伴い副食にも変わってしまったといいます。
米 → 輸入小麦粉
+ 油脂 + 砂糖
+ 食肉加工品 + 乳製品
+ 化学物質
カタカナ主食には「マヨケソ」が合う。
例えば美味しくない料理でも「マヨケソ」をかけておけば大抵のものを美味しいと感じながら食べることが出来る。
「マヨケソ」とはマヨネーズ、ケチャップ、ソース。
日本がまだ貧しかった頃にはお菓子、3時のおやつ、嗜好品として用いられた贅沢品が今や主食になった。
パン(食パンだけでなく菓子パンも)、ハンバーガー、ドーナツ。
「炭水化物」源の変化
以前 | 複合炭水化物 (=天然農作物) |
穀類、イモ… など |
現在 | 精製炭水化物 (=工業製品) |
白砂糖、異性化糖(転化型液糖… など |
「脂質」源の変化
以前 | 複合脂質 | 魚介類、種子類… など |
現在 | 精製脂質 | 食用油、ラード、ショートニング… など |
砂糖+油脂の悪影響は計り知れない
食後に焼き芋は食べられないが…、
さつまいも + 砂糖 = 芋ようかん なら食べられちゃう。
さつまいも + 油 = 大学いも も食べられる。
さつまいも + 砂糖 + 油 = おさつスナ●ク も美味しくて止みつきに(笑
以前テレビ番組内で実験したところ、人は目隠しをして(普段絶対に口にしない)ティッシュペーパーを油で揚げた謎の食品でさえも、酸化された油の匂いに騙されて、無抵抗に食べてしまい、しかもそれを「美味しい!もっとちょうだい」とまで言わせてしまった。
・新鮮なほうれん草はおひたしでOKで、冷凍のほうれん草はバター炒めにすれば皆喜んで食べる。
砂糖+油脂の魔力にサルも完敗
大阪堺市内の大浜公園のサル山に集団発生したメタボ猿の話は有名だが、お腹が地面にこするほどのメタボ猿になってしまった原因は見物客が与えたお菓子だった。中には体重が平均の3倍になった猿も。
そこで堺市は動物のダイエットを成功させるために施した策は、人がエサやお菓子を与えられないよう、サル山を細かい金網の檻で囲んだ獣舎への変更だった。
【朗報】大阪の「メタボ猿」がダイエットに成功
理想的な食事を考える時、個人差が大きいことは考慮にいれるべき
- 体質
- 心
- 家族構成
- 社会
- 世代
- 嗜好
幕内秀夫先生の提唱される健康な食事10箇条
- ごはんをきちんと食べる。ごはん以外を主食にする際は「ひらがな主食」を。国産そば、うどんなど
- カタカナ主食は常食しない。
- 発酵食品を常食する。納豆、味噌、黒酢など
- 常備食を上手に利用する。漬物、焼き海苔、佃煮、煮豆、缶詰、塩辛など
- 甘い物を食べたくなったら、大人には和菓子。洋菓子は他所で呼ばれる(自宅に置かない・笑
- 副食は季節の野菜料理を。和え物、煮物。また親がそれを食べる姿を積極的に子どもに見せる。
- 動物性食品は、魚介類を中心に。
- 精のモノより粗のモノを常食する。砂糖よりも黒糖、はちみつなど
- 食品の安全性にも「無理のない範囲内で」配慮する。
- 食事はゆっくり。良く噛んで味や会話を楽しみながら。
質疑応答より
Q. ココナッツオイルなど、その時々で話題に上がる油がありますが、流行りモノの油についてはどのように考えておられますか?
A. 亜麻仁油やシソ油などもそうだが、油の種類に囚われるよりも量を取り過ぎないよう心がけることが重要だ。例えば戦後日本において、植物油や乳脂肪の消費量増大とシンクロして乳がん患者が増えていることが明らかである。
講演後
先生を囲んで記念写真を。
上に載せた幕内先生の著書「粗食のきほん」に直筆サインも頂きました。「Food = 風土」に共感。
その他、「食事と健康」に関しては、次の記事も参考にされたい
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