2015.05.12ブログで一問一答
足をつるこむら返りに漢方薬と黒酢の組み合わせが理想的だった
【特別企画・山浦卓のブログで一問一答】
「薬やサプリメントについて」、「健康や病気について」寄せられた質問・相談に、山浦がズバっと回答します!
Q.
昔から体を動かすことが好きで、仕事をリタイヤしてからもテニスやゴルフ、登山を楽しんでいるのですがここ数年、足をつるこむら返りの回数が増えて悩んでいます。
また運動中だけでなく睡眠中にまで下肢がつる激痛に見舞われて、翌日の寝不足や筋肉痛にもほとほと困っています。
医者から勧められて芍薬甘草湯という漢方薬を試したこともありますが、正直言って効いているのかどうか、あまりよく分かりません。
同じような悩みを持つ友人がサントさんで漢方薬と黒酢を併用するよう勧められたと聞きましたが、理由があるのでしょうか?
K.M.さん(60代・男性)
こむら返りの原因
ご質問ありがとうございます。先ずはこむら返りが起きる原因を挙げておきましょう。
根本的な原因
- 冷え
- 筋肉疲労
- 血流障害、血行不良
- 脱水
- ミネラルの失調(低マグネシウム、低カルシウム、低カリウム、高ナトリウムなど)
- ビタミンEの不足(食事内容など)
- 運動不足
その他の原因
- 糖尿病
- 動脈硬化
- 腎不全
- 妊娠
- 甲状腺機能低下
- 高ナトリウム血症
- 低カリウム血症
- 尿毒症
- 椎間板ヘルニア
・・・といったところでしょうか。
こむら返りの治療薬として超メジャーな漢方薬:芍薬甘草湯
傷寒論という中国伝統医学の古典にある処方、芍薬甘草湯という漢方薬はこむら返りや筋肉痛に用いる薬として有名で、即効性も期待できます。東洋学術出版社の漢方方剤ハンドブックによれば、
- 組成:芍薬4 炙甘草4
- 効能:和陰緩急(陰血を養うことによって痙攣している筋肉にうるおいを与え、弛緩させる治法)
- 主治:筋脈拘急(陰血の不足によっておこる筋脈の強直・痙攣のこと)
- 臨床応用:四肢および腹部の痙攣性疼痛症などに用いる。例えば腓腹筋痙攣、腰痛、坐骨神経痛、リウマチ、肩こりなど四肢筋肉、関節の症状および胃痙攣、胃痛、肝胆疾患による疼痛、腹痛など腹部の症状にも使用できる。使用の要点は痙攣性の疼痛で、鎮痙・鎮痛の作用をもつといわれている。
とあるのですが、実はこの後に続く「注意事項」には次のような記述があります。
- 注意事項:副作用がなく、非常に安全な処方であるが、薬味が少ないため痙攣・疼痛の根本原因を治療する方剤を併用した方がより効果的である。
根本原因に対するサント流のアプローチ
この「方剤」という表現は当然漢方薬を指しますが、私としてはあまり「薬」を多用したくない主義なので、用いる薬は芍薬甘草湯1剤に押さえつつ、得意の「坂元のくろず」を繰り出します。
先述の根本的な原因のうち、上4項目は血液・血管の健康に大きく係るものばかりであり、このブログでも繰り返し記しているように、坂元のくろずの一番の特長は「赤血球変形能改善作用」による血液サラサラ効果で、血液自体のクオリティーを高める点です。
さらに当薬局では坂元のくろずをハンガリー産アカシア蜂蜜と合わせて飲む(単蜜くろず「はちくろ」)を勧めているので、次のような効果を期待することが出来ます。
- 冷え…血液が巡ってはじめて体温が上がります。血液がサラサラになって血流が改善されれば平熱自体が上がる。
- 筋肉疲労…組織に乳酸がたまることで筋肉疲労がおきますが、黒酢に含まれるクエン酸が疲労関連物質である乳酸の代謝を速める報告がある。また、筋肉組織の酸欠による疲労も見逃せない中、酸素を運ぶヘモグロビンの形成に欠かせないビタミンやミネラルを豊富に含む蜂蜜は理想的な造血食品である。
- 血流障害、血行不良、脱水…これは「はちくろ」を飲むことでそのまま解決する。
- マグネシウム、カルシウムなどミネラルの不足…くろずにもミネラルは含まれていますが、実は蜂蜜もミネラルの宝庫で、1kgの蜂蜜に含まれるミネラルの量は、カルシウム49・鉄2.4・銅0.29・マンガン0.3・リン35・硫黄58・カリウム205・塩素52・ナトリウム76・ケイ素8.9・マグネシウム19・珪酸22(単位はmg)。また黒酢に含まれるクエン酸が、こむら返りで最も不足しがちと言われるマグネシウムの吸収を良くするはたらきも認められているので、なお理想的。
「たまたま足をつった」程度ならば芍薬甘草湯のみ頓服でも症状を抑えることが出来る場合がほとんどです。
しかし今回の相談者K.Mさんのように慢性化、常態化してしまった場合は、薄めた単蜜くろず「はちくろ」を水の代わりにして芍薬甘草湯を服用すれば、相性が非常に良く漢方薬の効果を最大限引き出せるようで、実際に使用した方からの評価も概ね良好です。
ちなみに腰痛・肩こりを訴えられた場合には、漢方薬を独活寄生湯や牛車腎気丸、疎経活血湯などに変更して、同じく坂元のくろずをアテることもあります。
その他、こむら返りの予防に有効な手段は?
- 日常的に運動を心がける
- 温めながらマッサージ(入浴中など)
- 水分補給をマメにする
- 運動の前後に入念なストレッチをする
- プールや海などで冷たい水には急に入らない
- プールや海などで冷たい水に長時間浸からない
- ビタミンやミネラルをバランスよく食事で補給する
- マグネシウムを多く含む食材:しらす、かぼちゃ、ひじき、油揚げ、ゆで大豆、いわしの丸干し、あさり、納豆、桜えび…など
- アルコールを飲み過ぎない(脱水予防)
- 規則正しい生活リズム
・・・など。
こちらの記事も参考にしてください
- あれも黒酢?これも黒酢?分かりにくいので食酢品質表示基準で確認してみた。
- 「純粋蜂蜜」という表示の甘~いワナ
- 【Q&A】意外に知られていない、ハチミツの話。
- 黒酢だけで飲むよりも、蜂蜜を合わせた方が効果が上がる3つの理由。
- 人気の黒酢だけど、あえて欠点を挙げて対策を考えてみる。
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