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2015.12.24ブログで一問一答

漢方薬の効果発現には、どれくらいの期間が必要ですか?

この「ブログで一問一答」カテゴリは、読者の皆様からご応募いただいた質問内容に山浦卓がサクサクと回答していく企画です。

Q. 漢方薬の効果は、どれくらいの期間服用すれば現れますか?

長年悩まされている生理痛、PMS(月経前症候群)と冷え性で1年ほど婦人科にも通院しましたが解決に至らず。

いろいろと調べたり人から聞いたりして、ドラッグストアで購入した「温経湯」の服用を始めて1ヶ月経ちますが、あまり効果を感じられません。

漢方薬の効果は、どれくらいの期間服用すれば現れるものなのでしょうか?

R.H.さん(40代・女性)

 

A. 細胞の代謝に要する期間を目安にしましょう

R.H.さん、「ブログで一問一答」企画へのご応募ありがとうございます。

実はこのご質問に対する回答は以前、『薬が効かないと思ったら確認するべき3つのポイント(復習編)』という記事にも詳しく書きましたが、
https://045310.com/compliance/

私はいつもこうお答えしています。

酸素を運ぶ仕事だけに特化した赤血球細胞は人の体を構成している約37兆個の細胞の内のおよそ2/3、約24兆個を占めています。
(※以前はヒトの細胞総数は約60兆個、赤血球の数は約29兆個と考えられていた)

この赤血球細胞の寿命やその他細胞の代謝の仕組みからみて、私達は人間の生理周期を約4ヶ月として捉えています。

ということは、ある薬やサプリメントを新たに開始してから4ヶ月も経てば、37兆個の細胞全てが新しく生まれ変わっているということになり、それら全ての細胞が採用した薬 or サプリメントの効果を知っているものと考えられるのです。

また同時に理屈の上では、心臓の拍動により放出された血液は約20秒で体のすみずみにまで駆け巡り再度心臓へと帰ってきます。

つまり単純計算で1分間あれば体内を3周、10分間では30周も、血流に乗った薬などをグルグルと全身くまなく運び込んでくれるのです。

と、これは一概には言えませんが、人によっては飲み始めてから数分〜数日程度の短い期間でもその効果を実感する場合もあるので焦らず、しかし積極的に効果を観察していくと良いでしょう。

漢方薬の効果を最大限引き出すための必須条件は次の2つ。

  1. 選び方(正しい選薬)… つまりお身体の状態に対して正しい漢方薬を選ぶことができているかどうか。
  2. 用い方(用法用量)… これは 意識するだけで漢方薬・サプリの効果を何倍にもする、たった3つのポイント をご一読下さい。

※薬でもサプリメントでも理屈は同じです。

 

漢方薬局で実際に用いられる頻度の高い漢方薬TOP10(生理痛など婦人科疾患編)

ちなみに当薬局で生理痛などの婦人科疾患に、よく用いる漢方薬を挙げておきます。

  1. 加味逍遥散(カミショウヨウサン)… ほてり、のぼせ、微熱などを伴う生理痛、月経不順、子宮内膜症、子宮筋腫、乳房痛など婦人科疾患に広く用いられる。
  2. 逍遥散(ショウヨウサン)… 冷えを伴う生理痛、月経困難、月経前症候群(PMS)、更年期症状。イライラを訴える人に用いる場面も多い。加味逍遥散の元処方。
  3. 四逆散(シギャクサン)… 冷え性。生理痛、生理不順、下腹部痛。またストレスからくる腹痛や下痢などにも効果的。
  4. 安中散(アンチュウサン)… 散寒作用と止痛作用に優れている。冷えを伴う生理痛、胃痛、胃酸過多など。
  5. 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)… 手足寒冷、顔面蒼白、冷えを伴う生理痛、経血が少なく薄い、眩暈、疲労倦怠感、更年期症状。
  6. 温経湯(ウンケイトウ)… 月経不順、経血に血塊、月経痛、手足および下腹部の冷え、不妊症、子宮出血、疲労倦怠感、血虚による皮膚疾患(アトピー性皮膚炎など)で掻痒感が強い場合に用いることも。
  7. 五積散(ゴシャクサン)… 気・血・痰・寒・食の五積滞を通す処方。婦人科にフォーカスすると月経不順、げ頚痛、無月経に用いる。(※五積滞についての説明は長くなるので別の機会に書きます。本稿では単純に漢字からイメージしてください)
  8. 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)… 子宮筋腫、月経不順、経血中の血塊、生理痛、不正出血、妊娠中の出血、膣炎、切迫流産、産後の腹痛、不妊症。
  9. 瓊玉膏(ケイギョクコウ)… 冷え、生理不順、不妊症、虚弱体質、病中病後の体力低下、発育不良。
  10. 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)… 基本的には妊娠による腹痛や浮腫(むくみ)に用いる方剤。その他、生理痛、生理不順、不妊症、神経疲労など広く応用される。

※使用量の多い順ではありません。
※個々の体質や状態によって薬の選択や用法用量を決めていきます。
※2種類の方剤を合わせて用いる場合もあります(合方)。 また当然ですが上記以外にも沢山の処方があり、同一人物でもその時その時で用いる方剤(薬)が違うことがありますので、なるべく自己判断をせずに漢方相談専門の薬局・薬剤師に相談しましょう。ここもご一読ください。

 

その他、参考記事

 

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