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2016.01.18ブログで一問一答

しゃっくり(吃逆)に漢方薬を用いるのは、すでに常識かもしれない

この「ブログで一問一答」カテゴリは、読者の皆様からご応募いただいた質問内容に山浦卓がサクサクと回答していく企画です。

Q. 頻繁に「しゃっくり」が止まらなくなり困っています

仕事中など時間や場所を問わず「しゃっくり」が止まらない事が多く困っています。漢方薬も良いと聞きますが、実際効き目はありますか?

G.T.さん(50代・男性)

A.

先にズバッと回答をしておきますと、「長引いたしゃっくりほど、漢方薬がよく効きます」。

文献等調べてもメカニズムは解明されていないのですが、不思議とよく効くんです。先人たちの経験と知恵は尊い。

しゃっくりとは

吃逆(きつぎゃく)とも呼ばれ、横隔膜の痙攣と同時に声門が突発的に締まり、空気が入り込んで特徴的な音を発する状態です。男性に多いと言われています。 医学百科事典「メルクマニュアル」によれば、

しゃっくりは求心性神経または遠心性神経や、呼吸筋、特に横隔膜をつかさどる延髄中枢の刺激に続いて起こる。

熱い物や刺激物を飲み込むことで、遠心性神経が刺激されることがある。 血中のCO2濃度が高いと抑制され、CO2濃度が低いと抑制される

また、治療法としては

深く息を吸い込み止めたり、紙袋に吐いた息をまた深く吸ったりすることで横隔膜の活動を抑制する(外鼻腔にくっついて離れないことがあるので、ビニール袋は使わない)。

迷走神経の刺激も効果ある:コップの水を一気に呑んだり、乾いたパンや砕いた氷を飲み込んだり、嘔吐を誘発したり、舌を引っ張ったり、眼球に圧を与えたりする。

などといった、一部古典的な方法も記載されていました。そして、

長引くしゃっくりを抑制する薬としては、スコポラミン、プロクロルペラジン、クロルプロマジン、フェノバルビタールなどがあるが、薬を使った治療法は多くの場合、つかみどころがない。

症状がひどく、難治性の場合には、呼吸抑制や気胸症を起こさぬよう注意を払いながら、少量の0.5%プロカイン溶液によって横隔神経を遮断する。両側の横隔神経切断術を行ってさえも、全ての患者を治癒することはできない

ともあり、たかがしゃっくりと言えどもちょっと怖い話になってきました・・・ 。

しゃっくり(吃逆)を漢方薬で抑える場合

さて、それでは漢方薬でしゃっくりを抑える薬といえば、『柿蒂湯(シテイトウ)』という方剤が超有名です。当ブログの読者の中にも知っている方が居るのでは?とてもよい香りのする漢方薬で味の面でも人気があります。

柿蒂湯(済生方)の薬味(組成)

  • 丁字1.5 柿蒂5 生姜4

主薬となっている生薬は「柿蒂(シテイ)」といって、正体は文字通り柿の蒂(ヘタ)なんですね。煎じる前の姿を見たら見事に乾燥させたままの柿のヘタなので、笑っちゃいますよ。

柿(カキ)としゃっくり

ずいぶん昔から漢方の大家や著名な生薬学者らが、しゃっくり止めの妙法として紹介していました。

  • 柿のヘタ10個ほどを、200ccの水に入れて煎じて半分に煮詰めて、1回で飲み干すと吃逆に良い(大塚敬節)
  • しゃっくりには柿のヘタ5gに、ヒネショウガをほぼ同量加えて、水200ccで煎じて飲む(伊沢一男)

その他、伝承されてきた柿の民間療法

  1. 出血… 実を黒焼きにして1回2gを白湯で飲む。
  2. 吐血… 種子(タネ)または干柿を黒焼きとして2gを水で飲む。
  3. やけど… 柿の渋を塗るか、または面倒ならば渋柿をすりつぶして塗る。重症の場合はこれをガーゼに塗って湿布する。毎日取り替えること。
  4. 歯痛… 未熟な実を突き砕いて汁をとり、水と混ぜてうがい薬とする。また歯茎が腫れて痛むものには干柿を黒焼きにした粉をすりこむとよい。
  5. 夜尿症… 渋柿の種子(タネ)を黒焼きとして飲む。また柿蒂を煎じた汁を飲ませてもよい。
  6. 二日酔い… 実を食べると早く酔いが覚める。
  7. 高血圧… 葉を煎じたエキスを常用する→ べに茶に応用。

※上記の全てを私自身が試したわけではありませんが、6は季節が合えばチャレンジしてみます(笑

「しゃっくり」に用いられる頻度の高い漢方薬

私たちが、「しゃっくり」に用いる漢方薬を挙げておきます。

  1. 柿蒂湯(シテイトウ)… 胃弱、冷え性、長引くしゃっくり。
  2. 桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)… のぼせ気味で便秘の人。腹痛、舌が乾燥している。
  3. 四逆散(シギャクサン)… 冷え性。生理痛、生理不順、下腹部痛。またストレスからくる腹痛や下痢などにも効果的。
  4. 呉茱萸湯(ゴシュユトウ)… 吐気がして、吃逆が出るときは手足が冷える、顔面蒼白、冷えを伴う生理痛、経血が少なく薄い、眩暈、疲労倦怠感、更年期症状。
  5. 半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)… 腹鳴(お腹が鳴る)、みぞおちがつかえる感覚を伴うしゃっくり。
  6. 瓊玉膏(ケイギョクコウ)… 冷え、生理不順、不妊、妊娠中の吃逆、虚弱体質、病中病後の体力低下、発育不良。
  7. 小柴胡湯(ショウサイコトウ)… 口が苦く、軽い胸脇苦満(胸苦しさ)がある人。

※使用量の多い順ではありません。
※個々の体質や状態によって薬の選択や用法用量を決めていきます。
※2種類の方剤を合わせて用いる場合もあります(合方)。

上記以外にも沢山の処方があり、同一人物でもその時その時で用いる方剤(薬)が違うことがありますので、自己判断をせずに漢方相談専門の薬局・薬剤師に相談しましょう。

ここもご一読ください。

その他、参考記事

参考文献

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