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2013.02.25Tips(ヒント)あれこれ

本葛使用のくず湯は品薄・高価なので漢方薬局の葛根湯で代用する

最近のマイブーム、葛(クズ)

漢方薬の原料として用いられており、これを用いた「葛根湯」という漢方薬は有名ですね。

そこでせっかくですから、ちょっと調べてみました。

葛(クズ)はマメ科の植物で、その生薬名を「葛根(カッコン)・葛花(カッカ)」といいます。

昔はクズのつるを材料にして葛布(くずふ)に織って着物にしたり、葉を家畜馬の飼料にしていた。馬がクズの葉を喜んで食べているのを見て、ウマノボタモチ(千葉)やウマノオコワ(群馬)の別名がつけられた

はるさめに似た葛切(くずきり)は、クズデンプンを水でといて煮、冷ましてうどんのように細く切ったもので、料理に使われる。奈良県吉野地方の吉野葛は、葛粉(くずこ)とも言うが、クズの根から作ったクズデンプンで、和菓子の材料や葛湯にする。

現在は値段の安いジャガイモデンプンが、葛粉に化けたりしていることがある。

根は漢方薬の葛根湯の原料として有名。クズは全国の各地に野生し、繁殖力は非常に旺盛で、植林地に侵入して、樹木にからみついて枯死させるので、嫌われることが多いが、地下の根は薬として役立つ魅力あるものになっている。

薬草カラー大図鑑 伊沢一男編 主婦の友社発行

生薬の「葛根(マメ科のクズの根)」

【四気】:平~涼
【五味】:甘・辛
【帰経】:脾・胃
【薬量】:3~15g

【効能と主治】

  • 筋の緊張を解きほぐし、熱を冷ます(潤筋解痙・清熱)
  • 発熱、頭痛、頸部の強ばり、上背部の緊張を伴う筋肉層の風寒表証:⇒葛根湯

皮疹の熱毒を排出する(透疹)

  • 疹出が不十分な初期の麻疹:⇒升麻葛根湯

津液を養い口渇を抑える(生津止渇)

  • 胃熱による口渇。

下痢を止める(止痢)

  • 大腸の熱による下痢。ただし脾気虚が併存する時は、他の生薬も配合する:⇒葛根黄芩黄連湯

高血圧症を治療する

  • 頭痛、眩暈、耳鳴または感覚異常
  • 高血圧。ただし降圧作用はない。

【禁忌】

  • 大汗、胃寒証

漢方生薬事典 産調出版

…とあります。

 

お湯に溶かして飲む葛根湯

当薬局ではそのまま白湯や水で飲むことはもちろん、お湯に溶かして飲めるタイプの「葛根湯」をご紹介しています。

風邪の初期に飲む薬として有名になりましたが、そもそも漢方薬に「風邪薬」という概念は無く、実は上記にもあるように、感冒症状のほか、筋肉痛や肩こり、手足の痛みやしびれ、頭痛、冷え性、眩暈、耳鳴など多用されています。

ただし余計な汗を追い出して熱を取り去る薬なので、汗をダラダラかくような症状や、胃寒証(急性胃炎・胃痙攣など)がある場合は禁忌(飲んじゃダメ)ですから要注意。

大昔は葛根湯が手元に無い場合、取り急ぎ「葛湯」で代用することもありましたが、最近は本葛(ジャガイモデンプン等を用いない混じり気のない葛粉100%のもの)の生産・流通は少なく高価であるため、むしろ流通量が多くて安価に入手できる「葛根湯」を求めて来局される方も珍しくありませんので、せっかく飲むならば、最高級の葛根湯をサント薬局でご紹介しています。

(※一口に漢方薬といっても、例えば葛根湯を上手に作るメーカーもあれば、あまり上手でないメーカーもあります。横浜漢方サント薬局は当然、漢方薬専門ですから、それぞれの処方毎に最も上手に作っているメーカーを採用しているんですよ)

ともあれ、葛湯・葛根湯のどちらにしても、寒い夜や、カラダが冷えてしまった日などは就寝前に飲むと、カラダの芯までポカポカして、寝付きもよくなって最高です。ほんのり甘くて美味しいんですよね~^^

 

その他、漢方薬に関してはこちらの記事も参考にしてください。

 

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