2016.01.15社会問題
長時間のテレビゲームによる脳への悪影響を懸念されるドパミンとは
長時間のTVゲームで脳に悪影響
少し前になりますが、気になる見出しが目に止まったので、自分自身の復習と備忘録がてら記しておきます。
以下の記事中、「長時間」という表現が具体的に何時間だったのかが不明ですが、そこはさておきましょう。
TVゲームは脳の発達に悪影響 東北大が警告
テレビゲームは子どもの脳の発達に悪影響を与えると、東北大加齢医学研究所の研究グループが発表した。調査した竹内光准教授(神経科学)は「ゲームに興じる時間と脳の発達の遅れは比例する」と警告する。
グループは宮城県在住の5~18歳283人を対象に、脳画像解析と知能検査を実施した。
磁気共鳴画像装置(MRI)で脳を調べると、テレビゲームで長時間遊ぶ子どもは、物事を認知したり記憶したりする領域の発達が遅れていた。
快楽を感じたときに出る神経伝達物質「ドーパミン」の過剰放出により、意欲をつかさどる領域にも悪影響があった。これは覚せい剤常用者と同じ特徴だという。
また、テレビゲームで遊ぶ時間が長ければ長い子どもほど言語能力が低く、類似する言葉を見つけたり、読み上げられた算数の文章題に暗算で答えたりする検査の成績が劣っていた。
3年後に再び調査すると、テレビゲームが習慣化している子どもは脳の発達がさらに遅れていた。
2016年1月7日 河北新報
神経伝達物質「ドーパミン(ドパミン)」とは
脳内で神経細胞同士の情報伝達のやり取りを行う物質(ホルモン)で、有名なアドレナリンやノルアドレナリンと並び「カテコールアミン」と呼ばれるグループに属しています。
このドパミンは、運動調節・精神活動への関与・脳下垂体からのホルモン分泌調節などに関与しており、中枢内の分泌量の異常によって疾患の原因となることが分かっています。
ドパミンが減少して起こる疾患・症状
- パーキンソン病
- 運動機能障害
- もの忘れ
- もの覚えが悪くなる
- 無気力
- 注意力の低下
- 集中力の低下(統合失調症の陰性反応にもみられる)
- 意欲減退(同上)
ドパミンが過剰になると起こる疾患・症状
- 統合失調症(特にパラノイア=偏執病・妄想症と呼ばれる陽性反応)
- 幻覚
- 強迫神経症
- 嘔吐、吐気
- 奇行
- 意欲低下(記事より)
- 認知機能の低下(同上)
- 記憶機能の低下(同上)
バランスを保つことが大切ということ
ドパミンに限った話ではありませんが、結局はその人それぞれにとってのホルモンの分泌量のバランスを保つことが重要です。
カテコールアミンの分泌量を調整するのに有効とされている項目を列挙しておきます。
- 適度な運動を心がける
- 近所でも構わないので、どこかに出掛ける(散歩)
- 他人と会話をする(電話でもOK)
- 質の良い睡眠をとる
- 血流改善(微小循環の向上)
- ストレスからの解放(息抜き)
- 適度な飲酒
- 暴飲暴食をしない
- 居宅や服装を清潔に保つ意識をもつ
考察
1980年頃に任天堂からゲーム&ウォッチという携帯ゲームが発売され、その後ファミコンやスーパーファミコンなどが続々と登場。
現在もWii Uや、PlayStationなどといった高性能のテレビゲームが人気を博しています。
さらにはスマホやタブレットで遊べるタイトルもあるようですね。
1970年生まれの自分たちが子供の頃にもすでに家庭で楽しめるゲームは存在しており、私もご多分にもれず夢中になって長時間ゲームにハマっていました。
親から時間の制限をされた記憶はないし。
しかし90年代以降のテレビゲームは機械性能の進歩に伴いストーリーやサウンド、そして何より、目に飛び込んでくる映像・画質の向上がめざましく、現実世界と2次元の世界との区別がつかないような内容のタイトルが増えてきたように思います。
そういったバーチャルとリアルの境目の曖昧なゲームの刺激が子どもの脳に与える(悪)影響の深さが80年代と比べて格段にdeepになっているのではないかと、私は想像しています。
あ!これ自分がまともな人間の前提ですが、もしかしたらあの頃ゲームやり過ぎたせいで、今の体たらくなのかも知れません(笑
古いゲームを与える群と最新のゲームを与える群に分けて、それぞれ同じ時間だけ遊ばせて比較してみたいなぁ。
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