2015.10.19学会・イベントなど参加レポート
認知症予防は脳と血管のメンテナンスから。小池浩司医師の講演備忘録
京王プラザホテル八王子の4階「宴」にて。
おかげさまで10月18日、見事な秋晴れの日曜日に『2015年ヘルスケアセミナー』を開催することが出来ました。主催薬局一同、大変喜んでおります。
今回は主催薬局9軒がそれぞれの顧客をご招待しました。
開演前、どんどん席が埋まっていきます。
今回のメイン、「認知症予防は脳と血管のメンテナンスから」という基調講演をお話くださった講師は、小池レディスクリニック院長・小池浩司先生。
今回は小池先生のお話を聞いてメモにとった内容を一部備忘録的に記しておきます。
更年期以降をいかに充実した人生にするか
およそ45〜55歳で女性ホルモンの分泌量が急激に低下する。男性は女性よりも15年ほど遅れて更年期様症状発現。
閉経後の30〜40年を、健康で充実した人生にできるかどうかが大きなテーマになっている。
60歳前後で増える疾患2つ
単に「老化」という言葉で片付けられる場合も。
- 心血管系疾患
- 骨粗しょう症(1200万人)
自分で何とかする
- 食事
- 運動
- サプリメント… 小池先生が認めたもの:大豆イソフラボン、ピクノジェノール、ブラックコホシュ、プラセンタ等。
特にサプリメントについては、市場に出回っているものがあまりにも多いため、科学的根拠のある製品を選択しなくてはならない。(←これは私も常日頃から皆さんに伝えていることです)
医療に頼る
- 漢方薬
- ホルモン補充療法
皆さんが求める条件
- より自然
- より安全
- 有効性について… 症状は多彩で全身的。
更年期以降増える疾患
- 動脈硬化→ アルツハイマー、認知症。
- 骨折して入院→ リハビリ中に認知症が進行→ リハビリ困難になり中止→ 相乗的に悪化してしまう例。
見た目が若い人は寿命が長い
- 沢山の双子が参加した実験で実証。同じDNAを持つ2人を比べて、化粧をしても何をしても構わない条件で、見た目が若かった一方が、もう一方よりも長生きだった。
- 骨密度が低くなると頭蓋骨が萎縮してしまうため、特に顔面の皮膚がたるみ、しわになる。額、眼窩、頬骨、ほうれい線。
肥満の問題
- 飢餓状態は寿命を延ばす。(1.2〜1.4倍)
- サルの実験で、通常食の群よりも栄養素はそのままにカロリーのみ70%カットした群は、活動の様子も若々しく、毛艶も圧倒的によくなった。
- 適度な飢餓状態、カロリー制限がサーチュイン遺伝子を活性化。腹八分目。満腹は避けること。
GBE-24(240mg/日)の内服を継続して記憶力向上、認知症の予防と改善
1988年、ドイツの医薬品売り上げNo.1になった製品が『EGb761』という、イチョウ葉エキスを用いた脳血管疾患用薬であった。
『EGb761』は1960年代からDr.シュワーベという科学者(医師・薬剤師)によって現代医療に導入されていた製品で日本では『GBE-24』という名称で流通している。
※「イチョウ葉」の名を冠したサプリメントは多数存在するが、シュワーベ博士の開発したEGb761はそのエキス成分のうち、フラボン配糖体:テルペンラクトン=24:6という黄金比を守っており、他社には真似ができない技術である。
数々の文献において、認知症については進行の予防だけでなく、症状の改善効果までみられている。
例:アルツハイマー型、レビー小体型認知症治療薬として広く用いられているアリセプト®(エーザイ)との比較実験では、ほぼ同等の効果で副作用がほぼみられない。しかもアリセプトとの併用も可能。
また予防効果については、240mg/日の内服を42ヶ月(3年半)継続したことで、有意に予防することを示した。
記憶力向上、学習能力向上、脳の損傷を修復するなどといった効果。
医薬品『EGb761』と、健康食品『GBE-24』との比較
小池先生が注意したのは、ドイツやフランスをはじめとするヨーロッパで医薬品として流通している『EGb761』はアセトン抽出で、日本で健康食品として流通している『GBE-24』はアルコール抽出であることが、各々の有効性に差があるのではないか?ということだった。
そこで、小池先生自身の実験で検証したところ、結果はアルコール抽出の製品『GBE-24』でも医薬品に遜色ない、大きな効果があることが認められた。
認知症をはじめとした微小循環障害には、ひろい範囲でその治療効果を期待できるとの由。
対象症例
- 網膜(正常眼圧緑内障)
- 平衡感覚器(眩暈、耳鳴)
- 末梢神経(しびれ、冷え)
- 性器(ED=勃起不全=インポテンツ、不感症)
動脈硬化のリスク因子
血圧上昇、肥満、高脂血症、糖尿病
イチョウ葉エキス『GBE-24』は詰まった血管を通すはたらきもある。
脳の血流促すイチョウ葉エキス
上述されたように、ヨーロッパで1980年代以降も完成度を高めたイチョウ葉エキスは、脳梗塞、虚血性心疾患、や脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症などの治療薬として用いられてきた。
マウスの実験ではイチョウ葉エキスで脳の海馬の細胞が増えたことが確かめられている。ただし、イチョウの葉そのものは毒性が強いのいで、そのまま煎じて飲んだりしたらいけない。
更年期を克服して健康寿命を延せば、消費が活性化して医療費は減り、日本経済にも貢献することができる。
難しい医学用語を省き、一般の方にも分かりやすい内容でした
大変気さくなDr.で、図表を示されながら一般の方にも分かりやすいお話が印象的で、是非またお話を聴ける機会が欲しいと思いました。
貴重なお話を下さいました小池先生、ならびに今回のイベント運営に尽力くださいました、
アサヒフードアンドヘルスケア株式会社の担当各位、また主催に名を連ねられた各薬局の先生方に心より御礼申し上げます。
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2015年ヘルスケアセミナー 主催薬局(五十音順)
- 天野順進堂(山梨県上野原市)
- 学園ファーマシー(東京都小平市)
- キタムラ薬局(東京都町田市)
- クスリのミヤキ(東京都福生市)
- 漢方サント薬局(神奈川県横浜市青葉区)
- ナカムラ薬局(山梨県都留市)
- のざき薬局(神奈川県相模原市緑区)
- 伯雲堂薬局(東京都小金井市)
- 幸ドラッグ(神奈川県川崎市多摩区)
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