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2012.11.06健康・医療

鉄分不足による貧血は婦人科疾患だけでなく、胃癌や大腸癌とも関連

女性からの相談に多い「貧血」やこれに伴う「眩暈」、「動悸」

冷えやストレスから乱れたホルモンバランスの調整や、血流の改善を第一の目標として手当てをするのですが、意外に見落としがちになる項目がミネラル、特に鉄(Fe)の摂取量です。

鉄分が不足すると「貧血」が起こるわけですが、この「貧血」とは医学的には「赤血球が減少した状態」といえます。

貧血の中で最も頻度が高く(約9割)、皆さんもイメージしやすいタイプが「鉄欠乏性貧血」です。

これは体内の鉄分不足からヘモグロビンが十分に合成できなくなるために起こる貧血で、出血が鉄欠乏の最も大きな原因ですが、女性の場合は月経がありますので、鉄欠乏状態になりやすく特に中年以降で鉄欠乏性貧血がみられた場合には、婦人科で子宮筋腫、子宮がんなどを疑う必要があります。

ちなみに男性の鉄欠乏性貧血の場合は、消化管出血の可能性が高く、胃がんや大腸がんなどを疑って早めに内視鏡検査をしましょう。

また出血以外の吸収障害でも鉄欠乏性貧血は起こります。鉄の吸収部位である小腸上部、とくに十二指腸であり、胃を手術で切除すると鉄の吸収が悪くなり、次第に貧血に陥っていきます。

貧血になると、細胞や組織が必要とする新鮮な酸素が十分に行き渡らず、動悸、息切れに加え、眩暈、頭痛、疲れやすい等の症状が出現します。

長期に続けば、匙(さじ)状爪になったり、爪が脆くなったりしてきます。

 

予防に欠かせない、鉄の摂取

これを予防するためには、食事等から鉄分を十分に摂取する事が肝要ですが、ビタミンCやビタミンB12、葉酸を一緒に摂ると鉄の吸収が促進されます。

※鉄の1日の摂取量は10mgが目安です。

鉄を多く含む食品(mg/100g)

魚介類:干しエビ(15.1)、アサリ(3.8)、シジミ(5.3)

藻類:ひじき(55.0)、青のり(74.8)、岩海苔(48.3)

肉類:豚レバー(13.0)、牛レバー(4.0)、鶏レバー(9.0)

種実類:ごま(9.9)

その他:パセリ(17.5)、小麦胚芽(9.4)、納豆(3.3)

※逆にビタミンEや食品添加物に多く含まれるリン酸、タンニンを含有する食品(緑茶、紅茶、コーヒー等)とは相性が悪いので、摂るならば時間をずらすよう注意しましょう。

最近の調理器具に少なくなった鉄製品

ところで、以前と比べて最近は調理にお鍋や鉄ビン、フライパン(コーティングの無いもの)などの鉄製器具を殆ど用いなくなっています。

電気釜や鍋、やかん等、かなり以前からその大半がアルミ製品に代わってきました。このため昔のように鍋などから鉄分を摂取すること出来なくなったんですね。

鉄の副作用

ただし多量摂取は胃への負担が大きい場合があります。特に子どもの過剰摂取は危険です。

 

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