2012.03.10Tips(ヒント)あれこれ
漢方薬局の薬剤師が自ら実践している花粉症対策とは?
今や国民病とまで言われている花粉症。今年もイヤ〜な季節がきました。
毎年の事ながら、3月に入ると花粉症のご相談が急増します。今週中頃には、一気に気温が上がって花粉の飛散を助長した模様ですね。
- 「症状が出始めると、とても仕事どころではなくなって、ホントに憂鬱だ…」
- 「花粉症のせいで、子供の面倒どころじゃなくなっちゃう!」
- 「いつもならば冷静に対処できる事柄なのに、予想外の失敗をする」
こんな方、近くにいらっしゃいませんか?
自分自身が幼少期から筋金入りの花粉症患者
当時は花粉症なんて言葉もあったかどうか分かりませんが…。元々慢性的なアレルギー性鼻炎もあったので、1月末頃から長ければGW頃までズルズルと鼻水と嚔(くしゃみ)に悩んでいた記憶があります。
まぁ家業が薬局でしたから、当時から様々な漢方薬、西洋薬(抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、ステロイドまで!)、そしてサプリメント等を試してきたんですね。
しかし当時は、どれもこう「ピン」と来なかった。鼻水が止まっても副作用で眠気に襲われたり、逆に鼻づまりの息苦しさから睡眠不足になったりと、要するにスッキリしなかったんです。
それが今は花粉症だけでなく、慢性のアレルギー性鼻炎までほとんど発症することがありません。
この数年、ワタシが特に気をつけていることは以下の通りです。
- 食事は砂糖や油っこいもの、味の濃いおかず、またはカラダを冷やすタイプの食材を避けて、根菜類などの温めるタイプの食材を摂るようにする。
- 冷え予防。お風呂は反復入浴で、ゆっくり体の緊張をほぐしながら、うっすら汗ばむ程度に。
- 睡眠時間を確保。休息を意識して取ること。
- 寝室には加湿器必須。睡眠中もマスク着用。
- 諸味原末(しょみげんまつ)を毎日服用する。ワタシはこれを1日に3〜4回、「たんみつ黒酢」と一緒に摂取。
- お酒の席では体を冷やすビールは少なめにして、焼酎やウイスキーのお湯割りにする。(全体的な酒量も控えめに)
5番目の「諸味原末」は、その赤血球変形能改善作用(血液サラサラ)に着目され、以前は成人病と呼ばれていた疾患(=生活習慣病、メタボリックシンドローム)に役立てられている機能性食品ですが、近年アレジオン(一般名:塩酸エピナスチン)という医薬品と同等の抗アレルギー作用が認められ、すでに花粉症やアトピー性皮膚炎等に用いられています。
花粉症やアレルギーの漢方薬として有名になった小青龍湯(しょうせいりゅうとう)や、甜茶(てんちゃ)・凍頂烏龍茶(ウーロン茶)などと比べて飲みやすいだけでなく、眠気、胃腸障害、口の渇き等の副作用が一切ありません。また原料に米しか用いていないので、カラダの各臓器に対する負担も一切無いことが、人気を裏付けています。
※寝不足があったり、疲れが溜まっていたり、雨上がりの快晴で風が強く、花粉の飛散予報が「非常に多い」日などは諸味原末を服用する回数を増やしたり、その時点の体調に合わせた漢方薬を併用する場合もあります。
免疫力(≒体力、調整機能)が落ちると、花粉症を含むアレルギー性疾患は悪化する
疲れや冷え、ストレス、寝不足。そして肝や腎に対する負担が大きい合成薬の継続使用などは、その要因としてかなりのウェイトを占めます。
考えてみれば、お部屋を暖かくしてゆっくり休む、お薬は必要最小限に留めて、元々備えているご自分の免疫力を回復(正常化)させる努力をするだけで、症状の緩和は見られるのかも知れませんが、現代の多忙な日本人にとっては、この「ゆっくり休むこと」が最も困難なことなのかもしれません(>.<)
慌ただしい生活を送られる方にこそ、自然のチカラや漢方薬の正しい用い方を知っていただきたいものです。
花粉症、アレルギー疾患に関しては、以下も参考にしてください
- 花粉症の症状がみるみるスッキリ!黒酢もろみ原末(健康誌掲載記事)
- 注目されるアレルゲン免疫療法だが、残念ながら普及しないと思う
- 花粉症は治りますか?
- どうせ治らない花粉症ならば、いっそ花粉と上手に付き合っていこうよ
- 花粉症の薬を一生飲むつもりですか?と言われ、目からウロコ状態でした
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