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2016.01.25ブログで一問一答

花粉症などのアレルギー性鼻炎に用いる漢方薬トップ10

この「ブログで一問一答」カテゴリは、読者の皆様からご応募いただいた質問内容に山浦卓がサクサクと回答していく企画です。

 

Q. 大人になってからの花粉症対策、今年は漢方薬を試してみたいのですが

社会人になってから花粉症になりました。毎年鼻水が止まらないのと、目の痒みで苦しんでいます。花粉症に良いと言われるサプリメントや、甜茶・ヨーグルト・烏龍茶など沢山試してきましたが、これ!いった効果を感じられません。

2月上旬頃には、そろそろと症状が出始めるので焦ります。今年は漢方薬も試してみたいと思っているのですが、選び方が分かりません。

F.U.さん(30代・女性)

 

A. 花粉症対策は、薬の選択もさることながら日頃のケアが重要

F.U.さん、ブログで一問一答にご応募くださり、ありがとうございます。

鼻炎というと、昭和40年代までは慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が多かったようですが、その後はアレルギー性鼻炎が圧倒的に増えてきました。

花粉症は今や国民病

日本人の10〜15%が何かしらのアレルギーを持っていると言われて久しいですが、その主な原因はハウスダストと花粉だそうです。

花粉症は正式には枯草熱といって、アレルギー性鼻炎の急性季節性型として説明されており、風に運ばれる花粉によって誘導される激しい症状を指します。

症状

  • 眼、鼻、咽頭、口蓋がしだいにまたは突然にむず痒くなる。
  • 流涙
  • くしゃみ
  • 粘性のない透明な鼻汁
  • 上記に伴う、頭痛、イライラ、食欲不振、抑うつ症状、不眠など(メルクマニュアル)

サプリに過剰な期待をかけない

有名タレントなどを使ったり、TVやラジオで「◯◯に効く(とは法律上、明言出来ないのですが…)」というイメージをコマーシャルしているサプリメントの類は、その多くが本人の体験談ばかりで、医学的な根拠を示していません。

試す方にとっては、自らを材料にして一か八かの賭けをする人体実験と同じです。ですから市販のサプリに過剰な期待をかける事自体が酷である、と私は考えています。

また漢方薬についてはいつも言う話ですが、薬の選び方が使う人の体質や年齢、用いるタイミングなどによって全く異なるので、これまた「花粉症にはコレ!」という紹介も難しいところなんですね。

ただ花粉症をはじめとする急性の鼻炎症状に対しては、日頃からアレルギーを悪化させないよう体を労りながら、同時に正しい方剤の選択をすれば、薬の効果を比較的早く感じられるようです。

先ず第一に、アレルギー性疾患の最も嫌いな「冷え」対策は必須ですし、その他規則正しいリズムで生活できているかどうか、食習慣や飲酒・喫煙などの見直しも確認してみてくださいね。

参考:花粉症を悪化させる方法/夜の花粉症が酷くなる理由
⇒ https://045310.com/how_to_worsen_hay_fever/

 

「鼻炎」に用いる頻度の高い漢方薬

漢方薬を選ぶ際の基準はやはりその方の体質や体調、表情、顔色、姿勢などを総合的にみて判断します。

当薬局で花粉症をはじめとする「鼻炎」に用いる事が多い漢方薬などを随伴症状とともに挙げておきます。

  1. 葛根湯(カッコントウ)… 急性期の鼻炎(特に鼻閉)、頭重、頭痛、鼻汁が濃い人。
  2. 葛根湯加川キュウ辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)… くしゃみ、鼻汁、鼻閉、頭痛、蓄膿症にも用いられる。
  3. 薤白ガイハク=ラッキョウ)… 坂元のくろずと合わせることで、アレルギー性鼻炎、鼻汁、鼻閉、眼や鼻腔の粘膜の痒み・赤み、微小循環傷害。
  4. 苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)… 鼻汁、鼻閉、眩暈、(慢性的な)中耳炎、下肢の冷え、顔面紅潮、筋の抽搐(痙攣)。
  5. 辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)… 鼻閉、鼻汁(黄色、濃性)、頭重、頭痛、蓄膿症、鼻茸、咳、痰。
  6. 瓊玉膏(ケイギョクコウ)… 冷え、鼻汁、鼻閉、虚弱体質、病中病後の体力低下、発育不良、填精補髄。
  7. 荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)… 鼻塞、鼻汁、鼻衄(鼻血)、咽痛、咽腫、頭痛、発熱、蓄膿症、慢性鼻炎、口渇。
  8. 小青竜湯加桔梗石膏(ショウセイリュウトウカキキョウセッコウ)… 多量の水様鼻汁、口渇。
  9. 銀翹散(ギンギョウサン)… 眼の痒み、眼の充血、咳、咽頭痛、口渇。
  10. 桂枝湯(ケイシトウ)… 虚弱傾向の人。鼻汁、くしゃみ、粘膜の痒み、

※使用頻度の高い順ではありません。
※個々の体質や状態によって薬の選択や用法用量を決めていきます。
※2種類の方剤を合わせて用いる場合もあります(合方)。

上記以外にも沢山の処方があり、同一人物でもその時その時で用いる方剤(薬)が違うことがありますので、自己判断をせずに漢方相談専門の薬局・薬剤師に相談しましょう。

ここもご一読ください

 

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